産業保健師の役割は、従業員の心身の健康保持増進をサポートする立場です
従業員のメンタル面のサポートをする際4つのケアを活用しながらサポートを実施しています
この4つのケアの中身は、セルフケア・ラインによるケア・事業場内産業保健スタッフ等によるケア・事業場外資源によるケアによるフォローがあります
事業場外資源によるケアによるフォローで、EAPを活用している企業もあると思います
しかし、実際にEAPを上手く利用できている企業は少ないと思います
私が勤めている企業もEAPを活用していますが、従業員の利用者人数も少なく本当に活用出来ているのかな?と思うことがあります
セルフケアでもラインケアでも同様に、従業員に対してストレスコーピングなどのセルフケア方法を指導しているが、実際に活用出来ている方は何人いるのだろう?と悩んだり、ラインケアでは管理監督者に対してラインケアについて説明しているが、どのくらいの方がラインケアについて考え理解して行動しているだろう?と疑問に思います
このように4つのケアについて考えてしまうほど、よく分からなくなってしまうことがあります
そのため私が、メンタルフォローで気をつけていることは
- メンタルフォローする際は、4つのケアの中の何が1番の原因かを考える
- どの年代にも4つのケアについて講義を実施する
- メンタルフォローで介入しすぎないように注意する
この3点を意識し4つのケアを取り入れたメンタルフォローを実施するようにしています
具体的にどのようなことについて意識しているかについて書いていきたいと思います
メンタルフォローする際は、4つのケアの中の何が1番の原因かを考える
メンタルフォローをする上で、4つのケアを考えることは大切だと思います
また従業員が何が原因でメンタル不調を起こしているかを考えることも、とても大事なことです
例えば、職場ではラインによるケアもしっかりできており、従業員もメンタルクリニックに通院しており定期的に産業保健師とも面談を実施しているが、メンタル不調は継続している従業員に対して何が足りていないかと考えたとき、セルフケア能力が低いのでは?と見当がつきます
このような場合、他の3つのケアも継続していくが本人にセルフケアについて学んでもらう必要があると思います
メンタル不調者だから……と振り返りをさせずに周りのラインケアや産業保健師によるケアを強化したところで、本人がメンタル不調を繰り返す可能性も高いですし、職場からも不満が溜まる一方です
この見極めは、しっかりと意識してメンタルフォローを実施するようにしています
どの年代にも4つのケアについて講義を実施する
ラインケアは、管理監督者によるケアでは?と思われるかもしれませんが私は職場の同僚たちによるケアも、ラインケアなのでは?と考えています
上司によるケアが、あまり実施されていない職場があったとしても部下たちや同僚のフォロー体制があったから辛くても乗り越えることができたというパターンもあります
そのため4つのケアについて講義を実施する際は、ラインケアは管理監督者には当たり前ですがしっかりと説明をしますが、その他の従業員に対しても年代関係なくある程度、ラインケアについて説明をするようにしています
メンタルフォローで介入しすぎないように注意する
どの記事でも説明していますが、大切なことは従業員が自らの心身の健康に気づき自分で自分の健康を守れることが1番の理想だと思います
産業保健師は、それが実現出来るようにサポートする役割だと私は考えています
そのために、メンタルフォローをする際は介入しすぎて何もかも全て産業保健師が手助けをしてしまい、従業員の自立を妨げる行為は行なわないように注意しています
従業員の気持ちに寄り添えば寄り添うほど、助けてあげたいという気持ちになってしまいますが、一定の距離感は大事だと思います
さいごに
4つのケアを上手く活用できることが、メンタルフォローで重要になってくると思います
そして、従業員が自分の心身の健康について考え行動していくサポートをしていくことが大切だと思います
メンタルフォローは、これが正しいという正解がないように思えます
だからフォローするのはとても難しいです
しかし、難しいからと逃げていては解決にならないと思います
今後も、産業保健師として従業員の心身の健康保持増進をサポートする立場として日々成長していきたいと思います