仕事について

産業保健師の仕事内容(相談内容の例とフォロー方法について)

今回は、産業保健師ってどんな相談内容が多いのか、その時の対処方法はどうするかについて話していきたいと思います!

よくある相談内容

よくある相談内容は、やはりメンタル面での相談が多いです。

今、勤務している所はうつ病や新型うつ病の相談が多いです。最近、大人の発達障害の方が増えてきており、その方々と関わりのある従業員からの相談が増えてきています。

 

新型うつ病や大人の発達障害に関する面談対応は難しいです。

なぜなら、これら病を患った対象者自身が悩んでいるのではなく関わる周りの従業員が、対象者に振り回されて疲弊して相談してくることが多々あります。

大人の発達障害とは

症状は子どもの発達障害と同じですが、大人になるまで症状で困ったことがなく、発達障害とは気付かない場合や、周囲の人に発達障害を特徴や個性の1つと捉えられていたため、日常生活を送る上において特に問題がなかったケースが多いです。

今まで日常生活に支障がない程度の発達障害を持っていた人が、企業に就職し今までとは違う環境に置かれ、その環境がその人に合わない場合、もともとの発達障害に加えて、うつ病などの二次的な情緒や行動の問題が起きてしまうことがあります。

このケースも近年は増加しています。

面談などの対応

大人の発達障害は、対象者自信が症状を自覚して、治療していこうと前向きな思考であれば、フォローや介入することが容易です。しかし、発達障害は精神異常者であると思い、自身の症状を認めたくない従業員もいます。

このようなケースになった場合、対象者自身および対象者の周りの従業員から対象者の日ごろの仕事状況や仕事の取り組み方、姿勢などを聞いて、多角的に対象者の症状の状況および職場の雰囲気を把握することが先決です。

そのため、仕事する際にミスが異常に多いこと、2つの作業を同時に出来ないこと、聞いた事をすぐに忘れてしまうことなど発達障害に関連する症状を産業保健師がヒアリングすることが重要です

しかし、上記で書いていますが、対象者自身もその症状に気づいて悩んでいる場合と対象者自身に自覚がなくその症状で困っていない場合があります。これら2パターンでフォローの手法も変わってきます。

対象者自身がその症状に気づいて悩んでいる場合

自身の症状を自覚し悩んでいる場合は、適切な病院を紹介してあげることや、産業医による面談の取り次ぎを行うことがあります。産業保健師においても、希望がある場合は適宜面談などの対応をします。また、本人の希望や意思にもよりますが、上司に報告して職場環境の改善や仕事内容の見直しなどを考慮していく場合もあります。

もし、自身の症状に自覚はあるが、今現在悩んでない場合は「今後何か悩みがあれば、いつでも連絡くださいね」と従業員に伝え、少し時間を空けて再度フォローのためのメールや電話をするのがいいと思います。そして、定期的に連絡をとり状況把握を怠らないようにすることが大切です。

対象者自身に自覚がなくその症状で困っていない場合

対象者自身に自覚がなくその症状で困っていない場合は、対象者がメンタル面で悩んでないため、メンタルフォローをすることはあまりありませんが、対象者の周りの従業員がメンタル面で相談してくることが多いので、その従業員のフォローが主となってきます。

また、対象者自身にも諭すために面談をすることがありますが、この場合は言い過ぎることやはっきり言うことは良くないです。急に発達障害と言われたらびっくりしてしまいますよね

産業保健師は、その気持ちを汲み取ってあげてください。もう、この保健師に相談したくない!って思われたら今後本人のフォローすることが出来なくなってしまいます。

私も大失敗したことがあり、拗れた関係性を元に戻すのに大変苦労しました。

さいごに

メンタル面での面談相談は、対象者自身の状況や周りの従業員の状況によってフォロー方法が変わってきます。そのため最初の職場環境や仕事の状況などの把握が重要となってきますので、ここを慎重に対応しております。従業員の方たちが何に困っているか、原因は何かを見極めて、それを解決するのではなく、解決する手助けをするのが保健師の役割となると思います。これはとても難しくて、私も日々悩みながら仕事をしております。