仕事について

産業保健師デビュー1年目の経験|実践の学びと振り返り

産業保健師として働いて6年が経ち
産業保健師の立ち上げ経験や後輩指導など
様々なことを経験してきました

現在勤めている企業でも
後輩指導をしていく中で
自身が産業保健師になって1年目の時のことを思い出し
経験したことからの学びや振り返るための良い機会になれました

新人の頃は
緊張して思うようなパフォーマンスが出来なかったり
何をすればいいのか分からず苦労したり
ただ意味もなくがむしゃらに頑張っていたと感じます
反省する部分もたくさんあります

産業保健師として働き出した方のなかには
「まだ1年目だから…」
「先輩たちもいるから、あまり喋らない方がいいのかな?」
などと悩んでいる人も多いと思います

産業保健師1年目の時に実施してきて
良かったなと思うことや
もっと改善すべきだった点など
思うことが多々ありました

その中で
積極的に従業員の部署へ職場巡視する
講義や健康教育の講師役を積極的に実施する
どんな業務でもいいので、主担当として実施する

この3点は1年目に意識するといいなと思います

産業保健師業務の基礎を勉強

本で基礎勉強

まずは、産業保健師の一通りの業務内容を覚えることをしました。

長時間労働者の面談、海外赴任者の健康管理、ストレスチェック、復職面談、産業医面談、健康診断の実施、再検査の受診勧奨、保健指導、メンタルフォロー、安全衛生委員会、健康イベント、ラインケアなど様々な業務を理解するところからは始めました。

私は、産業保健師の業務内容を理解せずに業務をこなしても、あまり意味が無いのでは?という考えだったので、基礎知識を身につけるために産業保健師に関わりがある本は、たくさん読んできました。

おすすめ本は、下記の本です。この2冊は読みやすかったのでぜひ読んでいただければと思います。

研修会に参加する

産業保健師の業務内容を覚えて実践していくと
「たしかにマニュアル通りにすすめているが、本当にこのやり方で良いのかな?」
「本を読んでみても、いまいち分からないな…」
「産業保健師の基礎知識はなんとなく分かったけど、次は何をすればいいの?」
「健康経営?健康管理?よく分からないな」
と疑問に思うことが増えてきました。

そのため、積極的に研修会に参加して、疑問を解決していました
研修会には最低月1回は必ず参加していました。
研修会に参加すると、自分に足りていない知識や考え方を理解することができました。
おすすめの研修会は

中央労働災害防止協会が開催している産業保健師の研修会

独立行政法人 労働者健康安全機構 産業保健総合支援センターの研修会

中央労働災害防止協会が開催している全国産業安全衛生大会 

保健指導リソースガイドが開催している研修会

研修会の中には無料の研修会と有料の研修会があります。

私が一番おすすめしたい研修会は中央労働災害防止協会が開催している全国産業安全衛生大会に参加することで

研修会では積極的に産業保健師に話しかけ人脈を作る

研修会に参加することは基礎知識を身につけることができるだけではなく、人脈も広げることができます
私は研修会に参加するときは、必ず名刺を持参し大手企業や、中小企業で働いているベテランの産業保健師さんたちに、自ら話しかけコミュニケーションをとっていました
自己紹介はもちろんですが、現在産業保健師として働いている中でどのような悩みがあるか、またその悩みに対してどのように対処しているかなどを質問をしていました

質問の仕方も相手に失礼が無いように「現在働いている〇〇企業では◇◇という問題があります。そのため、産業医や人事労務担当者とコミュニケーションを図り△△の対応したが結果がイマイチだったので☓☓という対応もしてみたが、結果は同じでした。もしよろしければ、現在働いている企業で◇◇に対してどのような対応をしているか教えていただけないでしょうか?」と、細かく質問をしていました。

上記の質問に対してベテラン産業保健師さんたちは、無償で私にたくさんの知識を教えてくれました。本当に感謝しかありません。

私も、教えて頂いたことを無駄にしないように必死で産業保健師について勉強しました。

ベテラン産業保健師さんが、読んだ方がいいよと勧められた本は全て読み、参加した方がいいと言われた研修会は参加しました。

産業保健師として働いて2年経過したときに、交流を続けさせて頂いていたベテランの産業保健師さんから、「はりもぐちゃん、立ち上げの話があるんだけどやってみない?必ず貴方のスキルアップに役立つと思うよ」と話を頂きました。

恐怖心ももちろんありましたが、やってみたい!という思いのほうが強く立ち上げ経験をさせていただきことができました。

このように、人脈を作ることでスキルアップに有意義な情報をもらえることがあります

産業保健師は1人職場も多く、悩みがあってもなかなか解決できずに辛い思いをしている方も少なくないと思います
このような悩みがある方はぜひ研修会に参加してみてください!

私も研修会で知り合いになれて今でも、お世話になっている先輩方や交流がある産業保健師の方々もいます。

研修会で学んだ内容を人事労務担当者や産業医へフィードバックする

会社の勤務時間内に参加した研修会などであれば、必ず報告書は必要となってきますが、私は勤務時間外に参加した研修会内容でも、必ず報告書に記載し人事労務担当者や産業医にフィードバックしていました。

研修会で学んだことが自分のスキルアップの内容であれば、フィードバックする必要はあまりないかもしれませんが、会社全体で取り組まなければならない問題ならばフィードバックは必要だと私は思います。

やはり健康経営は、産業医や産業保健師、人事労務担当者など他部署との連携が必要不可欠となってきますので、産業保健師が自ら健康経営を目指すために行動することが大切だと私は思います。

1年目で実践すべきこと

積極的に従業員の部署へ職場巡視する

産業保健師になってから常々思いますが

積極的に従業員の部署へ職場巡視をして、

従業員が働いている環境や職場の雰囲気を把握することが

とても大事なことだと思います

実際目で見て入る情報のほうが有益な情報を得ることが多いです

職場巡視をすることで

従業員ともコミュニケーションを図ることができ、

データでは分からなかった情報を得ることもできます

心身の不調がある従業員だけを見るのではなく現在は心身ともに健康状態であるが

今後健康のリスクが高くなる可能性がある従業員に対しての

早期フォローが必要だと思います

積極的に現場に出向き従業員がどのような場所で業務を行っているかを把握し

心身の不調になるリスクを見つけて対応することが大切だと思います

現場に出向いて積極的に従業員の方とコミュニーケーションを図ることで

従業員の方から心身の不調を伝えてくれる機会も多くありました

多くの産業保健師は基本的にデスクワークが主な職種です

そのため、再検査の対象になった従業員や

海外赴任にする従業員、メンタルやフィジカル面で

不調がある従業員などに対しては、

関わる機会がありますがその他従業員とは関わりは少ないです

関わりがある従業員からは、

産業保健師という業務を知ってもらえますが

関わりがない従業員からは、

そもそも産業保健師という人が会社にいるのかも知らないという方もいます

このような関わりで、

従業員の心身の健康保持増進のサポートが出来るのかな?と思います

「本当は巡視したいけど、業務が多くて…」という気持ちもよく分かりますが、

できない理由を見つけるのは簡単です

まずは、会社で働いている従業員を知り

健康保持増進をサポートできるために何ができるかを考えることで、

よりよい健康経営を目指していけると思います

講義や健康教育の講師役を積極的に実施する

産業保健師の役割は、従業員の心身の健康保持増進をサポートする立場です

そのため、従業員に健康教育などを実施することが多くあります

人前で話したり講義をしたりすることは、とても緊張します

講義に慣れるためには、やはり場数をこなすことが必要となります

私も産業保健師1年目の時は、

講師役を任せてもらい数々の大失敗をしてきました

具体的には資料ばかりを見ながら講義をしたり

声の抑揚もなくただ淡々と講義をすすめたり…

何のために講義をしているのかな?と思うような行動をしていました

しかし数をこなしていくうちに、

従業員に分かりやすく説明するポイントや

スライドの作り方などが徐々に分かってきます

人に説明することは、産業保健師として

とても大事なスキルになります

講師役なんて、私には無理……と思う方もおられると思いますが

苦手だからと逃げてばかりで成長には繋がらないと思います

私も、失敗を恐れずに積極的に挑戦していきたいと思います

どんな業務でもいいので、主担当として実施する

小さな業務内容でも構わないので、

自分が主担当として実施した方が業務内容を覚えやすいように思えます

理由としては初めての業務で失敗もするかもしれませんが、

なぜ失敗したのかが分かり考えて行動することによって

次回は注意して実施しようと思えるからです

私は副担当で、実施したときは安心感があり

どこか他力本願で実施してしまい、

業務内容を大まかにしか覚えられていなかったように思えます

 先輩保健師や上司に教えてもらいながらで、

構わないので何か主担当で業務を実施していくことは

勉強になるので1度実施してみた方がいいと思います

自分の考えを聞いてもらう

産業保健師の業務内容もなんとなく覚えていくと「本当に自分は理解しているのか?相手に説明することができなければ意味がないのでは?」「勉強してきたことを企業で活かすことをしなければ意味がないのでは?」と思うことが増えてきました。

そのため、先輩産業保健師または後輩産業保健師、産業医、研修会で知り合いになった産業保健師、人事担当者の方たちなどに自分の考えを聞いてもらう時間を作って頂いていました。

この経験は本当に良かったと私は思います。当時私のこの意見に快く受け入れくださった周りの方たちには本当に感謝しています。

やはり、人に自分の考えを説明でき今後自分がどのような部分を強化するべきかを伝える力はとても重要だと思います。

また、人に伝えることで自分が理解していない部分や足りていない知識も把握することができます。

そして、聞いてくださった相手から意見をもらうことで視野を広げることもできます。

さいごに

産業保健師として働くことにおいて医療職の立場であることを必ず意識する必要があります。会社が求める仕事のみをこなすだけでは、企業で働く事務職の方たちと何ら変わりありません。専門職としての知識で企業に貢献する必要があるため、知識を得ていくことは必要不可欠となります

産業保健師1年目の時は新しい職場で、

緊張もあり何をすればいいか分からず戸惑ってしまうことが多いと思います

しかし、失敗を恐れて他力本願で逃げてばかりではもったいないと思います

今思えば、産業保健師1年目のときはがむしゃらに頑張っていたんだな…と思います
しかし、この経験があったから効率よく働くことの大切さも気づくこともできました。

今までの記事でも何度もお伝えさせて頂いてる通り、まずは行動することが大切だと思います。

私もまだまだ知識不足ですが、今後も成長していけるよう日々努力していきたいと思います。