産業保健師になる前は看護師経験2年程度→学校保健師2年→産業保健師4年目になりますが、臨床経験が浅く苦労したことがないのか?という意見を頂くこともあります。
私は臨床経験が浅く、自分では苦労したなと思うことがあります
しかし、産業保健師は激戦区のため臨床経験問わないという記載や応募条件に保健師資格、看護師資格のみの記載しかなければ、すぐに応募される方が多いと思います
今回は臨床経験で2年の私が、産業保健師1年目の時にどのような場面で苦労してきて実際どのように対処してきたかについて書いていきたいと思います
検診データの深読みが甘い
産業保健師の大事な業務の1つとして保健指導があります
保健指導は主に健康診断データや本人の職場環境などの背景も視野に入れながら、保健指導を行っていきます
臨床経験が浅いことを一番痛感した場面は、検診データの読み込みが、臨床経験が5年以上ある方に比べて甘いなと感じたことです
たとえば、脂質のデータ1つにしても私は健康リスクに関連するものが5個ぐらいしか思いつかず、それを基に保健指導を行っていました
しかし臨床経験が長い産業保健師の先輩は10個以上も健康リスクを把握しており、また従業員に対して「この値なら病院では治療をしていかない場合が多いです。なので〇〇から始めてみるのもいいと思います」まで伝えることをされていました
やはり、経験値に勝るものはないなと本当に痛感しました
疾患内容は教科書で理解することができても、臨床場面では教科書通りに物事が進むとは限りません
まずは従業員の疾患を理解する
「よし!まずは呼吸器から見直していくぞ!」という風に教科書通りに疾患を覚えていてもイメージがつきにくいことや、時間ばかりかかってしまうのでは?と私は思います
そのため、まずは現在自分が勤めている企業で働いている従業員の健康診断結果や、診断書を確認して「この疾患って何?」と疑問に思った疾患は調べて理解することから始めました
実際に、従業員に会い治療法や医師から言われていること、内服薬や現在私生活や働く上で困難なことなど、様々な話を聞かせて頂き自分なりに疾患について勉強をしました
この方法は従業員とも仲良くなることが出来き、私はとても得るもの多く勉強になったと感じました
研修会に参加したり、事例検討を産業医や先輩産業保健師に聴いてもらう
「どうせ私は臨床経験が浅いから、分からないことがあっても仕方ないよね!いざという時は、産業医の先生に聞けばいいし、早めに病院受診してと従業員へ伝えよう!」という他力本願の考えに私は一切なりませんでした笑
私は「臨床経験が浅いのは入社する前から分かってたこと!だったら何だって言うのよ!その部分をリカバリーできるために私は何をしていけばいいだろう?と考えれば済む話では?」と生粋の反骨精神がフル稼働していました
私が考えた案として、看護師が参加する臨床の研修会に再度参加するようにしました
ICUで看護師として働いていた時にも、よく参加していたので自分の理解が弱いなと感じる分野の研修会にはできる範囲で参加するようにしていました
そして、研修会で出会い仲良くなった看護師の方に現在の病院の状況なども話を聞かせて頂いていました
本当に昔から人運だけには恵まれており、皆さんとても親切に教えて下さいました
そして研修会で学んだ内容や、自分の担当した従業員の疾患で分からないことや、どのよに対応したかを産業医の先生や職場の先輩にフィードバックし、意見を頂いていました
指摘された内容は、次に活かせるようにノートにまとめたり、図解したりしていました
どのような業務でも、フィードバックは必ず必要だと思います
自分なりに解釈しているだけでは自己満足になってしまいます
学んだ知識を人に伝え意見をもらえることで自分の理解している部分や、逆に理解していない部分が明確になります
さいごに
どのような事でも出来ないから諦めるのではなく、どのようにリカバリーしていくかを考えることが大事だと思います
最初から他力本願では成長は難しいと思います
産業保健師は募集も少なく入社するまでが難しいです
そのためチャンスがあれば絶対に応募したほうがいいと思います
私も産業保健師になる前は転職サイトをたくさん見ていましたし、募集があればすぐに応募していました
何事も諦めずに挑戦することが大事です
今後も産業保健師としての経験を積んでいけるよう努力し行動していきたいと思います