保健師NEWS

「産業保健と看護」のハラスメントの記事を読んで

今回は私が定期購読で読んでいる『産業保健と看護 2021 Vol.13』の雑誌に記載されている《産業保健スタッフがハラスメントの行為者とならないために》の記事を読んでみて共感する内容が多かったので、私の感想を書いていきたいと思います

大まかな記事の内容

保健指導の場面において、対象者に対して「もっとこうした方が健康面が守れる!」「この健康診断結果のデータで今のままの生活を続けていたら、健康障害は出てくるのに何で危機感をもって話を聞いてくれないの?」と対象者の健康を心配するあまり、産業保健職の口調がきつくなってしまったり批判的な言葉や威圧的な態度をとってしまうことが、対象者に対してハラスメント行為になりうる危険性があります

このようなことにならないために、産業保健職は何をしていくべきかについて記載しています

詳細はこの本を読んでいただければと思います

自分の体験談

上記の内容を読んでみて「この気持わかるな〜」と思われた方も少なくないと思います

私もこの記事を読んでみて「このような経験って自分にもあったな」と共感することが多くありました

産業保健職の役割は企業で働く従業員の心身の健康保持増進をサポートすることだと私は思います

そのために保健指導スキルは必須となります

従業員の心身の健康保持増進をサポートしていきたい!と思う気持ちが強ければ強いほど相手が無関心の態度に納得できなくなってしまいます

しかし、だからといって「保健師の話をきちんと聞いて下さい!」とか質問攻めにしてしまっては相手に不快感を与えてしまいます

実際に保健指導をしていて「前回の保健師の指導方法が腹がたったから、保健指導って大嫌いなんだよね」「はいはい。もう終わりでいいですかね?」と保健指導する前から従業員に拒絶されてしまうことや、話をまともに聞いてもらえなくなってしまうこともあります

これでは、従業員と関わることすらできなくなってしまいます

このような状況にならないように、対策を考えることが産業保健職には必要になってくると思います

自分が実践してきた対処方法

このような状況に陥らないようにするために、私は従業員の背景に目を向け従業員の意見もしっかり聴くことを心がけるようにしました

例えば、年々健康診断結果のデータが悪化しており体重も脂質の値も悪化している従業員に対して「健康診断のデータが年々悪化しています。もう一度、食生活を見直し運動習慣を意識してみてください」と当たり前のことを伝えても従業員からしたら「そんなこと分かってるよ。何も分かってくれないな。何だか嫌な時間だな…」と感じてしまう可能性もあります

産業保健職の伝えたいこともよく分かりますが、このような保健指導だけではもったいないと私は思います

従業員の健康診断結果のデータがなぜ年々悪化しているのか、年齢だけではなく職場環境によるものなのか、データが悪化し始めた時期はいつからなのか、私生活でも環境の変化があったのかなど様々な背景に目を向けて従業員の話を聴かないと判断できないことがたくさんあると私は思います

これらを把握した上で、従業員の話を聴いて従業員と目標を決め実践につなげていくことが大切だと思います

ただし、データが明らかに緊急性が高いものであれば早めの受診をすすめるようにしています

さいごに

最近ハラスメントという言葉をよく耳にするようになりました

産業保健職も、ハラスメント対応に介入していく場合もあります

保健指導は従業員のことを心配したり相手の今後を考えるがあまり、相手の反応がいまいちだった場合、発言がきつくなってしまうということは本当によく分かります

「データ悪化しているけど意識してるならいいよね!」で済ませてない姿を私は素晴らしいと思います

大切なのは伝え方や説明力だと私は思います

そのためには、保健指導の数をこなしていくことも大切ですが1つ1つの保健指導を意識して実践していくことが重要です

まだまだ、知識不足や経験不足を痛感する日々ですが少しずつでも成長していけるよう考えて行動していきたいと思います