保健師NEWS

産業保健と看護を読んで 2023Vol.15  No.4

『産業保健と看護 2023 Vol.15 No4』の雑誌に記載されている《これからの産業看護職》の記事を読んで、自分の経験も踏まえて感想を書いていきたいと思います
【産業保健と看護】は共感する部分がとても多いです 
1人職場で悩んでいる方やこの事案はどうすればいいのだろう?と悩んでいる方は1度読んでみることをおすすめします
他企業の保健師の働き方の記事も多いため共感する部分が多いです

大まかな記事の内容

今回はふれてはならないこと:相手に踏み込まない方法を読んでの自分の考えを書いてかいていこうと思います
内容としては産業保健業務で必要なメンタル不調者の面談時どのようにメンタル不調者に対してフォローしていけば良いのか?この言葉を伝えることで不調者はもっとメンタルダウンをしてしまうのではないかと悩む保健師も多いのが現実です
その際産業保健師がすべき聴くためのポイントや、面談時にふれてはならないことについて、どのような面談の進め方がベストなのかを記載しています
詳細は産業保健と看護を読んでいただければと思います

メンタルとはどこまでがメンタルなのか?

一概メンタルと言っても近年ではパワハラや様々なメンタルの診断も増えてきており「この人は本当にメンタルなのか?ただの性格による問題では?」「どこまでが面談内容なのだろう?ここからは人事担当者や上長が対応する必要があるのではないのだろうか?」と思うことも最近増えてきていると思います
私が現在すごく悩んでいるのが、まさにこの部分でメンタル不調者の原因について聴くことも難しさを感じていますが聴いた先にある「それは性格や考え方の問題では?その場合誰が対応するのか?」といった部分です
相手にとってふみこんでほしくない部分はもちろんあります
その部分にあえてふれていき相手の心を傷つけるのはご法度だと思います
しかし考え方や性格の問題の場合は、ふみこむ以前の問題でフォローすることが困難だと感じます
その場合、人事担当者や上長に担当を変更してもらい部署対応なのか人事対応なのかを話し合ってもらいます
そうすると中には、腫れ物扱いする担当者もおり結果的にメンタル不調者のフォローが宙ぶらりんになり最悪の場合本人の意見が通ってしまい周りが疲弊しているというケースを何件も見てきました
ここがメンタル不調者面談の先にある難しさだと痛感しています

ラインケアとセルフケアの強化

ではどうすればいいのか?と考えたときにラインケアの強化とセルフケアの強化は必須だと思います
上司は部下の労務状況だけではなく心身の状況も把握し管理をする義務があります
そのため「メンタル不調者?最近何でもかんでもパワハラって言われるし…メンタルのこともよく分からないから産業保健師や人事が担当して」ではなく、まずは部下の話をよく聴いた上で次に繋げることが大切です
このノウハウについて産業保健師が説明したり講義したりすることも大切になってきます

しかし他の記事にも記載していますが、ラインケアを強化したところで必ず限界はきます
結局本人自身が自分で悩み考え行動し変えていかなければならない部分は、変えていくしかないのが現実です
産業保健師は従業員の心のケアも体のケアも見ていかなければならないポジションですが、全てを受け入れるという訳ではありません
あくまで従業員が心身の健康保持増進を可能にするためのサポート役です
他人の意見を聴いて自分なりに解釈して意見を取り入れて行動することは大切ですが、他人にこうすれば?と言われたからそうしてみたでは次の成長に繋がりません
この部分を本人に理解してもらうことが重要だと思います
この内容は本来であれば極端な話、中学生から理解している人もいれば社会人になっても理解していない人も様々です
私が勤めている会社では、新入社員研修の際この部分を社員に伝えて欲しいと現在人事担当者と話し合いを勧めている最中です

最後に

従業員との面談中、従業員の不調の部分だけではなく家族関係や職場環境などの背景に目を向けることは大切だと思います
しかしその部分だけに囚われてしまってはフォローすることは難しくなります
働く上で何が困っていて今本人に必要なケアは何なのか?といった部分を見誤ることは避けることが重要です
一見冷たいと感じるかもしれませんが、今後もきちんと割り切った関係性を築くことを大切にしていきたいと思います