現在勤めている企業は約2500名程の全従業員に対して、年に1回保健師による健康相談を実施しています。
このような取り組みは、以前立ち上げを経験させて頂いた企業は200人未満だったため、全員面談を提案して実施させて頂きました。
これは、本当にいい取り組みだと思っています。
なぜそのように思うのかについて今回は、書いていきたいと思います。
従業の現状を把握できる
産業保健師の役割は企業で働く従業員の心身の健康保持増進です。
そのためには、従業員の現在の心身の状況を把握する必要があります。
健康管理室や自分が所属している部署で1日中過ごしていては従業員の状況を把握することは困難です。
事務作業が多く、全員面談をしたいけれども時間がなくて難しい…と考えている産業保健師もいると思います。そのためには業務内容の見直しや役割分担などを企業側と話し合って見てもいいと思います。
やはり、健康診断結果や残業時間などのデータだけでは、判断できないこともあります。
そのためにも、まずは従業員1人1人と面談を実施して、現状を把握することが大切だと私は思います。
職場の雰囲気が分かる
「この職場高ストレス者が多いな…」「この職場の再検査受診率が一番悪いな」「この職場の人っていつも楽しそうに仕事をしているな」と各部署でフィジカル面、メンタル面の特徴があると思います。
その理由として考えられるのが、残業時間や職場の人数や人間関係など様々な要因があります。
しかし実際に現場を見てみないと分からないこともたくさんあります。
そのためにも、産業保健師が各部署に出向いて従業員や職場の雰囲気を把握することが大切だと思います。
実際に目で見て口で言えることは多いと私は思います。
理想論ばかりを言われても、従業員たちから「何も現場の状況を把握してないくせに…」と思われてしまっても仕方ないと思います。
現場を把握することで従業員へかける言葉も変わってきます。
保健師の役割を知ってもらえる
産業保健師は、人事部や総務部に所属して産業保健師として働く場合や健康管理部という部署で働く場合もあります。
また、従業員数が多い企業や、1人職場で働いている産業保健師は日々の業務に追われてしまい、メンタル不調者や保健指導や再検査、長時間残業面談、海外赴任者面談、健康教育などの業務でしか、なかなか従業員と会う機会があまりないという方もおられると思います。
私も以前勤めていた企業では、事務作業も多く、マンパワーも足りない理由で関われる従業員としか話す機会がありませんでした。
このような状況で働いていた時に従業員の方から「産業保健師の仕事って何しているの?」「産業保健師って企業にとってなぜ必要なの?」「産業保健師ってうちの企業で今、何人いるの?」と聞かれたことがありました。
この言葉を言われた時に「確かにな。産業保健師の役割を従業員に知ってもらわなければ、いくら仕事を頑張っても次につなげにくいな」と気付かされました。
そのためにも、積極的に従業員と関わりを持つ機会を設けることが大切だと私は思います。
さいごに
本当は全従業員と面談をしてみたいがなかなか難しい…と思っている産業保健師の方もたくさんおられると思います。
その場合は、一度業務内容の見直しや役割を企業で話し合ってみてもいいと思います。
ただし「全従業員面談を実施したいので業務を見直しませんか?」だけでは、誤解をまねく可能性もあるため、きちんとした理由も必要となります。
そのためには、データで説明したりプレゼンテーション能力も必要となります。
この本はとても読みやすかったので、おすすめします。
もし全員面談を実施できるのであれば、ぜひ実施した方がいいと思います。
まだまだスキル不足を痛感する日々ですが少しずつでも成長できるように努力し行動していきたいと思います