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保健指導「禁煙指導事例編」

今回は、実際にあった禁煙指導の事例を紹介します。

また、どのような保健指導を行ったかについて書いていきたいと思います。

事例

30代男性 (係長)

喫煙歴10年

1日平均本数10~15本

喫煙する意思はない

残業時間 平均月40時間

3ヶ月前に、部署内のメンバーが入れ替わり残業が続いておりストレス過多で、本数が増加傾向にある。

現在まで、健康診断結果に明らかな異常データなし。

 

ポイント

この事例のポイントは3つあると思います。

①ストレスによる喫煙

②禁煙する意思なし

③現在まで、健康診断結果に明らかな異常なし

 

対象者の背景を把握

対象の従業員は、事例から分かる様に様々なストレス要因があります。

環境の変化、残業が続いている、役席のポジションであることがタバコの本数を増加しています。

健康診断結果も明らかな異常データがないことや禁煙意思もないことから、タバコによる健康障害を保健師が伝えたところで、対象の従業員が納得できるかは難しいところがあると思います。

 

対象の従業員への伝えること

まずは、対象の従業員の背景を理解した上で、体調を心配していることを伝えます。

「最近職場も変わりましたし、残業も続いてますね。ストレスも相当溜まっていると思います。そのことでタバコの本数も増加してしまっているという気持ちはよく分かります。

本来であれば、喫煙以外の方法でストレスを発散するのが一番いいと思いますが急に言われても難しいですよね。」

 

次に健康障害のリスクについて説明します。

「今はまだ、健康診断結果が悪くないので想像しにくいと思いますが、このまま喫煙を続ければ今後健康障害のリスクも高くなる一方です。

私は(産業保健師)健康があっての仕事だと考えております。〇〇さん(対象の従業員)の体調面も精神面もとても心配しております。」

 

適切な病院へ受診を勧める

「今後禁煙してみようかなと思いましたら、禁煙外来を紹介させていただきますのでいつでも声をかけていただければと思います。」

 

上記のように、対象の従業員の現状を理解して上で産業保健師は言葉を選びながら、保健指導をしていくのがポイントだと思います。

 

さいごに

保健指導は、正解や不正解の基準が難しいです。

大切な事は、対象の従業員の背景を理解し、相手のペースに合わせた保健指導、また保健師が相手を誘導できるような保健指導を実践することだと思います。

今後も保健指導について勉強し、よりよい保健指導を従業員へ提供できるように、日々精進していきたいと思います。