スキルUP

産業保健師 立ち上げ経験談

私は産業保健師を2年経験した後に、1年間立ち上げ経験をさせていただきました。

立ち上げは初めての経験で苦労することは多くありました。

現在、産業保健師を目指している方やスキルアップを目指す方の中には、立ち上げ経験をしてみたいけれど自信がない。恐怖心がある。という方もおられると思います。

今回は、私が立ち上げ経験をした時に実践したことについて書いていきたいと思います。

皆様が、この記事を読んで少しでも立ち上げ経験に興味を持つことができたり、参考になれば嬉しいです。

目標設定を決める

目標設定はとても大切です。私はまず、企業側に健康管理体制をどのように進めて行きたいかを確認しました。保健師が一方的にあれもこれも取り入れていったほうが良い!と伝えることも大切ですが、それだけでは、会社の意向が分かりません。

組織全体で健康管理体制を作っていかなければ、いずれ認識のズレが生じて苦労するこになります。

なので、まずは会社側が求める健康管理体制をしっかり聴取してそのニーズに合わしながら、従業員の健康保持増進のために必要な取り組みをしていくような目標設定を決めました。

現状把握

現時点での健康問題、メンタル問題を聴取して、問題点に対してどのような対応をしているかを把握することが重要だと私は思います。

これらをしっかり、聴取することで企業側が健康管理に対してどのような認識をしているかがよく分かります。

健康管理は大切と思っているが、何をすれば良いかが分からないのか。もしくは、あまり興味がないのかを把握することによって、企業側へのアプローチ方法も変わってきます。

何をすれば良いかが分からないのであれば、企業の強みと弱みを一緒に分析しそれぞれへのアプローチ方法を伝えることができますし、健康管理に興味がないのであれば、健康に働くことの利点を伝え企業側が興味を持った分野からアプローチしていく方法もあります。

法律関係はしっかり押さえる

健康診断や長時間残業者面談、復職面談、職場巡視、ストレスチェックの事後措置など法律で決まっているところをしっかり抑えているかの確認は大切です。

そもそも、法律で決まっている内容が疎かになっていることは問題です。

もし、法律で決まっていることを実施していない場合は早急に対応してもらうように伝えることが大切です。

役割分担を決める

産業保健師だけで健康管理体制を担っていくことは、マンパワーが足りないことや産業保健師だけで決定できない業務もたくさんあり、困難です。そのため、人事労務担当者や安全主任や総務部の方としっかり話し合いをして役割分担を決めることが大切です。

役割分担を決めることで、役割を全うするために健康管理について調べる機会も増えます。また、役割があることによりそれぞれの部署に責任感がうまれます。企業全体で健康管理体制について考えることが、よりよい健康管理体制を作る上でもっとも大切なことだと私は思います。

安全衛生委員会の場で方針を発表する

安全衛生委員会の場を借りて、企業全体で決めた健康管理体制についての内容をスライドにまとめ発表することで、今後の方針を再確認することを実施しました。

口頭だけの解決では、方針がわからなくなってしまう場合が私はあると思います。そのため、スライドなどで分かりやすくまとめることで見直すことができます。

またスライドにしておけば、今後健康管理について実施してきた内容や、意見を取り入れながら作成したスライドを修正または追加していくことで、よりよい健康管理体制を作って行くこともできます。

さいごに

あくまで上記の内容は私が立ち上げをする上で必要と思い実践してきた内容です。

この立ち上げで実践した内容は今でも役に立つ経験もたくさんあります。

もし、立ち上げ経験のチャンスがある方は、一度経験した方が良いと私は思います。基盤がないところから築き上げていくのは大変ですが、自分の足りてない知識や経験不足も理解することができ、とても成長することができます。

前任者がいない企業で自分で新しいものを築き上げていく恐怖心もありますが、基盤がないところから産業保健を築き上げていく方がやりやすい場面もあります。

何事も、挑戦・行動することが大切です。今後も経験を積んでいき、日々成長していきたいと思います。