仕事について

健康イベントどうしてる?

今回は、産業保健師に求められる業務の1つである【健康イベント】の実施のポイントについて書いていきたいと思います。

【健康イベント】を実施するまでには、計画から立案、予算、参加人数、実施内容、対象者、時間など様々なことを考えなければなりません。

もともと、会社の恒例行事である健康イベントならば事前準備もあまり難しくはありませんが、新規の健康イベントなら上記のような事前準備をしっかりしなければなりません。

従業員がどのような健康イベントに興味があるか事前に把握

従業員に対して事前アンケートを実施し、どのような健康イベントを求めているかを把握することがポイントです。

この言葉を聞いて「従業員が興味のある健康イベントばかりしても、産業保健師として従業員の健康音保持増進という役割はできないのでは?」と疑問に思われた方も多いと思います。

産業保健師としては、従業員の健康問題に直結している健康イベントを実施したいと思う気持ちも、とても良くわかります。以前の私もそういう考えでした。

ここで、私が伝えたいのは従業員が健康のどの部分に興味があるのかということです!

新規健康イベントを実施したいと思っているのであれば、とても重要になってくるポイントだと私は思います。

例えば、従業員から「体力測定とかしてみたいんだよね」と意見があり【体力測定】の健康イベントを実施し、従業員が希望したイベントなので大変反響が良かったとします。

ここで「これでよかった」と産業保健師は満足するのでなく、そこから従業員に対して筋力の必要性や食事面・運動面の重要性を伝え、ウォーキングイベントに繋げて行くことも可能です。

事前準備をしっかりとする

「事前準備をしっかりするのは当たり前のこと」と思われるかもしれませんが、本当に重要だなといつも痛感しています。

具体的には、

①実施時間

何月に実施するのか・何時間実施するのか・どの時間帯で実施するのかなど計画することです。実施時期によっては従業員が忙しく参加しにくい時期もあるかと思います。そのような繁忙期を避けてなるべく参加してもらえるように計画します。

②対象者

全従業員対象なのか・男女別にするのか・正社員、契約社員、派遣社員も対象者にするのか・人数制限するのかも計画します。イベントによっては関係する人か関係しない人か分かれることがあるかもしれません。どれぐらいの人数を想定して実施するのか考えながら計画しています。

③場所

先程の対象者にも関係しますが、イベントを実施するにあたり場所の確保は必要であるため、どのくらいの広さが必要なのか・音響機器が使えるのか・テーブルや椅子はあるのか・スクリーンはあるのかなどを確認しておく必要があります。

④アンケート内容

事前アンケートを実施して何を聞きたいか知りたいかを確認しておき、事後アンケートではイベントの感想や次回どのようなイベントを実施してほしいかの意見を聞きます。

⑤予算

イベントによっては講師を呼んで実施することや、資料などが必要となることがあるため、講師代は必要なのか、外部から資料を取り寄せるのか、ランチ形式にする場合の弁当代や飲み物代はどのくらいにするのかなどを考える必要があります。

⑥準備期間

イベントを実施するまでにどのくらい準備期間が必要なのか・他部署にもフォローしてもらう必要があるのかなども考えます。他部署に協力してもらう場合は事前に連絡を取り、計画的に進行しないと迷惑をかけてしまいますのでいつも注意しています。

 

①〜⑥までが、最低限必要な準備と私と思います。上記以外にも細かい準備はまだあります。事前準備がしっかりしていなければ、健康イベントをスムーズに行うことは難しいです。私も準備を怠っており、大失敗したこともあるためこれらのことは常に意識しています。

トップダウンが1番効果あり

産業保健師だけが従業員の健康保持増進を考えて、健康イベントを実施したいという気持ちを上司や部署長、従業員に伝えて参加人数や健康意識が高い従業員が数人集まるのみという結果になる可能性が高いです。

しかし、企業に長く勤めており従業員と信頼関係が築けており成果も出している産業保健師なら参加率も高く、従業員の健康意識も高まるといった結果になる可能性もあります。

つまり、誰が何を従業員に伝えるのかが重要です

会社のトップが従業員の健康管理がどれだけ必要なことなのかをしっかり理解し、健康イベントの参加を従業員へ促してくれるのが理想です。

しかし、産業保健師の立場でトップに話を持っていくのは難しいところが多くあります。

なので、私は部署長や人事部長、産業医、安全管理担当者、総務部長など他部署とコミュニケーションを図り、健康イベントが必要な理由を説明していました。そして、部署長や人事部長、総務部長、産業医からトップに話をしてもらうようにしました。

産業保健師として働いて4年目になりますが、トップダウンに勝るものはないと思っています。

さいごに

毎年恒例である健康イベントを実施している企業であれば、産業保健師も健康イベントを実施しやすい環境でありますが、健康イベントが恒例ではない企業に対しての従業に対しての健康イベントを毎年恒例行事にするには、とても時間がかかります。それは、1年後かもしれませんし10年後かもしれません。しかし、諦めずに試行錯誤しながら継続していき従業員が「今年の健康イベントは何だろうな?」と楽しみにしている状態になるのが理想だと私は思います。

私も、新規の健康イベントの立ち上げはとても悩みます。その時は、他部署と連携を図り会社全体で健康意識を持つように産業保健師が誘導することがポイントだと思います。

今後も従業員の健康保持増進を支える産業保健師として、今後も経験値を積んで日々精進していきたいと思います。